衛生士国家試験の対策と傾向 エックス線写真編
国試を受ける皆さん、国試直前となりましたが追い込み頑張っているでしょうか?
今回も過去問から類題を出しますので一緒に考えて見てくださいね!
今回はエックス線写真に関する問題です。
第29回歯科衛生士国家試験の類題です。
エックス線写真に関する出題
矯正歯科治療で撮影されたエックス線写真を示す。評価できるのはどれか。1つ選べ。
a 歯数の異常
b 上下顎骨の左右的対称性
c 上下顎骨の前後的位置関係
d アーチレングスディスクレパンシー
エックス線写真に関する出題の解説
問題の解説に入る前に出題されたエックス線写真は何かわかりましたか?
そうです。側面頭部エックス線規格写真ですね。
側面頭部エックス線規格写真は
①前後的・垂直的な骨格性の特徴の評価
例えば、上下顎骨の大きさと位置、上顎骨と下顎骨の相互的位置関係、下顎骨の形態など。
②歯性の評価
例えば、上下顎中切歯の唇舌的傾斜、上下顎中切歯間の角度、上下顎大臼歯の位置、上下顎大臼歯の相互的位置関係など。
の評価を行います。
a. 歯数の異常は側面頭部エックス線規格写真では片側からの歯の数しかわかりません。パノラマエックス線写真や平行模型で評価できます。
b. 上下顎骨の左右的対称性は正面頭部エックス線規格写真で評価できます。
ちなみに正面頭部エックス規格写真では下顎骨の側方偏位や左右非対称、上下顎歯列の正中の偏位、咬合平面の水平的傾斜、歯列弓・歯槽基底弓幅径などの評価を行います。
c. 側面頭部エックス線規格写真では前述の通り上下顎骨の前後的位置関係がわかりますね。
d. アーチレングスディスクレパンシーとは歯の排列に利用できる歯列弓長(アベイラブル・アーチレングス)から、歯の排列に必要な歯列弓長(リクワイヤード・アーチレングス)を引いた値で示され、値がマイナスであれば叢生、プラスであれば空隙歯列弓となる。アーチレングスディスクパンシーは平行模型で評価します。
以上より正解はc.上下顎骨の前後的位置関係 です。
今回の国試の類似問題いかがだったでしょうか?
これを機にエックス線写真に関する類似問題にトライしてみて下さいね。
次回もお楽しみに!
<参考文献>
・日本医歯薬研修協会 Complete+DH 歯科衛生士 国家試験完全攻略2022年版p.433より引用。
・医歯薬出版株式会社 歯科矯正学 第5版 p.141-142より引用。