こんにちは。今年も残りわずかになりました。
ここで気を抜くか、追い込むか…
その違いが年明けにしっかり出てきます
主要3科目や基礎固めは終わっていますか?
自分が苦手な問題は逃げたくなりますよね。
でもここで向き合わないと、いつまでも力になりません
(私自身とても苦労しました💦)
2025年度最後のテーマは歯科矯正とフッ化物です!
国試過去問から1題と、例問をいくつか用意しました。
早速解いていきましょう
第31回午前問題75
フッ化物洗口法とフッ化物配合歯磨剤の両方に用いられるものはどれか。ひとつ選べ。
A.NaF
B.CaF2
C.SnF2
D.Na2PO3F
正解:A
解説:
A→○ (フッ化ナトリウム)
フッ化物洗口とフッ化物配合歯磨剤に用いられる。
B→×(フッ化カルシウム)
フッ化物歯面塗布など高濃度のフッ化物の場合、反応生成物として生成される。
C→×(フッ化第一スズ)
フッ化物歯面塗布とフッ化物配合歯磨剤に用いられる。
D→×(モノフルオロリン酸ナトリウム)
フッ化物配合歯磨剤のみに用いられる。
矯正歯科治療中のう蝕抵抗性を高めるためのフッ化物洗口剤はNaF(フッ化ナトリウム)溶液が使われる。
プラークの付着や増殖の抑制を目的とした殺菌薬(グルコン酸クロルヘキシジン、塩化べンゼトニウム)が入った洗口剤もあるが、まれにアレルギー症状を起こす場合がある。
成人は矯正装置が入ることによって口腔内の不快感(口の渇きや口臭)を訴えることがあるので、唾液の分泌を促すものや湿潤剤を推奨することもある。
では例題をいくつか解いていきましょう!
例題1
フッ化物の効果的な塗布時期について、萌出直後からフッ化物歯面塗布を実施するのが効果的である。歯面塗布の時期と主な対象歯の組み合わせで正しいものは何か。2つ選べ。
A.ⅠC→乳臼歯
B.ⅡA→第一大臼歯
C.ⅡB→第一小臼歯
D.ⅣA→第二大臼歯
正解:A.D
解説:
ヘルマンの咬合発育段階を思い出し、問題を解いていく。う蝕に最も罹患しやすいのは、歯が萌出してから2〜3年の間であるといわれている。
A→○
ⅠCは乳歯咬合完成前の時期である。
B→×
ⅡAは乳歯咬合の完成期である。第一大臼歯の萌出開始期はⅡCである。
C→×
ⅡBは存在しない。第一小臼歯の萌出開始期はⅡBである。
D→○
ⅣAは第二大臼歯の萌出開始期である。
フッ化物には診療室で使用するものと家庭で使用するものとがある。矯正治療中は、う蝕予防のためにも双方を継続的に使用していく。混合歯列期の小児にとって、フッ化物は歯質の強化及び再石灰化促進の効果が高いので、自宅でもフッ化物が配合された歯磨剤の使用を勧める。
例題2
矯正治療中のホワイトスポット予防として推奨されるフッ化物使用法はどれか。ひとつ選べ。
A. 歯磨剤のみ
B. 洗口液のみ
C. 歯磨剤+フッ化物洗口
D. フッ化物応用は不要
正解:C→○
解説:
矯正中はハイリスクのため “二重フッ化物予防” が有効。
フッ化物歯磨剤+フッ化物洗口液
→ 長時間口腔内にF⁻が存在し、初期脱灰を予防する。
矯正装置(特に固定式ブラケット)はプラーク停滞を起こしやすく、白濁(ホワイトスポット)=初期う蝕が最も多い。
ホワイトスポットは脱灰による白斑で、フッ化物の応用により進行抑制・改善が期待できる。
例題3
矯正保定装置(リテーナー)使用時にフッ化物応用が特に重要となる理由はどれか。ひとつ選べ。
A. 唾液が出にくくなるため
B. 装置の装着により清掃が難しくなるため
C. 歯が脆くなるため
D. フッ化物が装置を劣化させるため
正解:B
解説:
A→×
リテーナーを装着しても唾液分泌量は減らない。
唾液腺の機能をリテーナーが直接阻害することはない。
唾液分泌が低下する原因は薬の副作用や脱水、加齢などであり、保定装置とは無関係である。
B→○
リテーナー(特に固定式)は歯間部の清掃性が低下してしまう。
→ プラーク停滞 → 初期う蝕発生リスクが増加。
そのため、フッ化物の作用で脱灰抑制が期待できる。
C→×矯正後に歯が“脆くなる”という現象は起こらない。
矯正中に、ホワイトスポット、脱灰が進行した場合、見た目が白濁したまま残ることはあるが
矯正やリテーナーによって歯の硬組織強度が下がることはない。
よってフッ化物が必要な理由は「脆さ」ではなく、
清掃不良による脱灰リスク増加。
D→ ×
フッ化物は装置を劣化させない。
金属ワイヤーや樹脂のリテーナー素材にフッ化物が悪影響を与えるという科学的根拠はない。
どうでしたか?
解けなかった問題の振り返りも大切ですが、
この選択肢はなぜ当てはまらないのか理由を
考えることも大切です。
今回はこれで終わります。お疲れ様でした!


